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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第19章 忘年会編


会が進んでいくと、恒例のミロによる大学当時のボート部映像上映会が始まる。

何度も見飽きた試合の様子が、照明を落としたリビングの巨大なテレビに映し出され、ミロは歓声を上げ、周りの皆がそれに付き合わされる。

そんないつもの光景の中、ヴィクトルは床に移動し、親友のフロリアンと酒を酌み交わしていた。

「その後、名無しさんはどうだ? 大丈夫か」
「ああ。元気そうにしてくれてるよ」
「そうか。⋯⋯俺もな、うちの会社からそんな人間が出たことが残念でならないんだ」
「俺もだよ」

フロリアンが隣の沈んだ背を叩いた。

「お前のせいじゃない。社内全体の問題だ」
「ああ⋯⋯そうとも言えるな。大丈夫だよ。これからは俺が彼女を守るから」

ヴィクトルの表情はまだ浮かないながらも、隣を見やり、少し口元を上げて述べた。

あなたのことを傷つけてしまったことは、一生の悔いとなり残るだろう。二度と起こしてはならない、強い自戒ともなる出来事だ。

しかし二人には、誰にも入り込めない幸福な時間が多々ある。
そしてそれは、必ず未来へと続いていく。

「⋯ん? なんだ? いきなりニヤつきやがって。なにか良いことでもあったのか?」
「別にないさ」
「嘘つけよ。なんだよ教えろ、まったく。⋯⋯ああそうだ、お前来月出張だよな。クリスと一緒に東欧行きの」

急に持ち出された話題に、ヴィクトルも頷いた。

「三社三国だ。結構タイトなスケジュールになりそうでな」
「ああ。一社以外は新しい契約がかかってる。頼んだぞ。クリスのことも」

それが言いたかったのだろうと、やや落ち着かない態度のフロリアンに気づいた。

「心配いらないよ。確かに今回はクリス主導の重要なプロジェクトも含まれている。ここまでの規模は初めてだしな。だが彼はかなり腕がいいんだぞ。期待通りの仕事をしてくれるさ」

2人がちらりと噂のクリスを見ると、マックスに絡まれて嫌そうに文句を言ってるところだった。

それはまるで、大学生だったときに中等科の内気なクリスをいじりまわした不良マックスの姿と重なる。

ヴィクトルとフロリアンは呆れ笑いながらも、酒を飲み続けた。
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