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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第17章 実家編


「そうだったんだね。⋯⋯うん、お父さんの考えはよく分かる。もちろん君はしっかりした芯の強い女性だし、流されるような人じゃないよ。でも中年の男が近づいてきて翻弄されてたら、って心配になるのは当然だよ」

彼は思慮深く伝えながら、それでも決意をこめた手のひらの中に、あなたの手をぎゅっと招く。

「それなのに俺に会ってくれるって言ってもらえて、本当にありがたいよ。名無しちゃん、大丈夫だからね。俺も納得してもらえるように、君のご両親に、エレーネさんとステファンさんにきちんとお話させてもらいたい。よろしくね」

あなたは真摯な彼の言葉に心が掴まれる。親に懸念があると伝えれば、普通は面倒だったり及び腰になるだろう。

ヴィクトルはそんな様子を微塵も感じさせず、前々から彼自身も確固たる心構えがあるようだった。

「ありがとう、ヴィクトル⋯」
「それは俺の台詞だよ。俺達のこと、話してくれてありがとうね。俺も頑張るからね」

にこりと笑む顔を見ていると、あなたは彼の脇に両腕を差し込み、胸にうずまった。背中を抱きしめながら、この人で良かったと思う。

やがて体をそっと離し、彼のことを見つめる眼差しが曇る。

そんなどんよりした仕草を、ヴィクトルは見逃さなかった。

「どうしたの名無しちゃん、大丈夫?」
「うん。大丈夫なんだけどね⋯⋯まだ話すことあって」

こんな前向きな良い雰囲気の中で、元カレのことを言おうとしてる自分に、少しためらいが生じる。

加えて元カレのことを思い出すこと自体が、時折すごく神経に障るのだ。
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