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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第17章 実家編


自室から出て、暗がりの階段をひたひたと降りていく。緊張感がありながら決意に動かされていた。

すると父と母の話し声がキッチンから聞こえてきた。

「――だから俺が言ってるのは、年齢だけの話じゃないんだよ。あいつはな、自分の気持ちを主張できるタイプじゃないだろう? そこが心配なんだ。相手が経験豊富な年上男ならなおさらだよ、いつか言いなりになって傷つくことになったらどうするんだ」
「まあさ、その心配はわかるわよ。でもね――」

あなたは二人の会話に目を剥く。
さっきまで怒り心頭だった父の参ったような声音に、はっと気付かされた瞬間だった。

「あの子変わったと思うよ。さっきも少し教えたじゃない、自分の意見はっきり伝えられてたって。私も驚いたけど、この目で見たもん。今の彼が支えになってくれてるのよ絶対。それにさ、昨日から思ったんだけど前よりよく笑うようになったよ。親としては嬉しいよ、今幸せそうな雰囲気すごい出ててさ」

それは勘とかじゃなく実感としてあるものだと、母が力説してくれていた。

あなたは両親からそれぞれ子を切に思う気持ちを感じ取り、じんわり心に噛みしめる。
その瞬間、勝手に体が階段を降りてキッチンへと向かっていた。

「大丈夫だよ! 二人とも、そんなふうに考えてくれてたの? ありがとう、心配かけてごめんねっ」
「――あぁ゛ッ! なんだお前、聞いてたのかっ!?」
「あ。ごめん驚かせて。今来たとこだよ」

キッチンのテーブルスペースで酒を飲んでいた父は、仰天して上体をのけぞらせた。
母も目を丸くしたが、すぐに包み込むような笑顔に変わる。
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