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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第17章 実家編


父の名はステファンといい、高身長でガタイがよく65歳とは思えない。白髪交じりの茶髪以外は若い風貌だ。

外見も柔和な母親に近いあなたとはあまり似ていないが、性格は温和でけっして怖くはない。

「お父さん、釣り楽しかった? 何釣れたの?」
「ほとんどボラだな。楽しかったぞ」

本当だろうか。普段は明るくくだらない冗談も言う父が、なんだかよそよそしい雰囲気だった。

銀行の事務員の母とは違い、長年リフォーム会社で内装を取りまとめる職人気質の人間だ。
今も自宅なのに、仕事モードかのようなピリっとしたものを感じた。

――まさか。私のせい?

あなたは察知したが、言い出すことは出来ず食卓についた。

「じゃあいただきましょうか。乾杯〜! 今年も皆よく頑張ったわね〜、来年もこの調子でいくわよ!」
「はは、なにその挨拶。今までそんなのなかったのに。ねえお父さん」
「⋯⋯⋯⋯」

父は口数少なくビールを自分についで飲んでいる。
いつもは陽気に二人にもふるまってくれるのだが。

しばらく皆黙々と七面鳥を食べていたが、あなたは気詰まりがしてチラチラと父を見ていた。

すると、いきなり眼光鋭い父の瞳があなたを捕らえた。

「名無し。婚約したというのは本当か」
「あっ⋯⋯うん。そうなんだ。へへ⋯」
「俺は聞いていない」
「そっ⋯⋯うん、ごめん。今日言おうと思ってて」

冷たい空気を感じた瞬間に、練習したはずの受け答えが飛んでしまった。

父が楽しくない様子なのは明らかである。

「ごめんなさい!! お父さんの気持ちも考えずに、たぶん許してもらえるだろうと思って、というかやっぱり少し言いづらくなってお母さんに頼んで――」
「言いづらいことをしてるという自覚があるのか」
「えっ⋯⋯」
「二十歳も下の女の子を手籠めにするような男は、ロクな奴じゃない」

父は切り捨てるように言った。
あなたは一瞬固まるが、すぐに我に返る。
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