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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第17章 実家編


「やっぱさ、名無しがこんなに若くして婚約したって聞いてびっくりしたよ。ねえ大丈夫なの? どんな人なのヴィクトルって」
「もう散々話したでしょ。すごくいい人だよ、大人で心が広くて大きくて⋯⋯お母さんも会ったらすぐ分かるよ。素晴らしい人だって」
「え〜本当?」

あなたがあまりに気の抜けた笑顔をさらすものだから、母は若干疑わしさを声にのせて瞳を細める。

「ていうかこの指輪! ねえすごいわね。これいくら? 大金持ちなの?」
「あっ⋯⋯いや〜。それは分からないんだけど⋯⋯でも綺麗だよねえこれ。私なんかにもったいないよ。浮いてるよね」
「そんなことないよ。可愛いデザインじゃん、名無しにぴったりよ。成り金ぽい押し付けがましさがないっていうかね」

真剣に見定める母の目つきが可笑しかったが、似合うと言われて嬉しくなった。

母がこうしてわりと好意的に話を聞いてくれることには深く感謝だ。ヴィクトルにも会いたいと言ってくれて、あなたは喜んだのだが。

「えっ? イリスさんもいるの? それはちょっと⋯⋯いやいつか会ってほしいけどさ、初回で母とその親友がタッグ組んできたら怖いよ、しかも年上の女性たちで。ヴィクトルがかわいそうだよ」
「そうかもしれないけどさぁ。まあよくない? 大丈夫よ、私達優しいし。別に断罪しようってんじゃないんだから。ただやっぱり心配もあるでしょ? 大事な名無しちゃんなんだからさ」

にこっと母特有の若々しい笑みにほだされて、あなたは考えたあと仕方ないと思うことにした。
彼に話して了承してくれたらと付け加えて。

そもそも年の離れた男性と婚約というのも突然の話なのに、会ってくれる親にもありがたいと思わないとな。そんなふうに納得もしていた。

こうして夜は親子二人でお喋りをしながら、あなたは実家での余暇をのんびりと過ごしたのだった。
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