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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第16章 真相編


翌週になると、厳かなクリスマスイブを迎えた。
南欧なので雪は降らないが、寒さの中ヴィクトルはあなたと二人外に出かけていた。

都市部の伝統的なクリスマスマーケットを訪れていたのだ。
明るい子供たちの声が響き、人々の幸せそうな笑顔があふれかえっている。

雪やモミの枝が装飾された小屋の出店が連なり、まるで中世を思わす迷路のようだ。
ヴィクトルは綿飴をほおばるあなたのことを、隣で微笑ましそうに見つめていた。

「ん? ヴィクトルも食べる? はい」
「う、むっ。美味しいけど、やたら突っ込んできたね。甘いなこれ」
「美味しいよね〜。小さい時を思い出すなぁ」

あどけない表情で喜ぶあなたを見ているだけで、ヴィクトルの心は癒されていた。

聖夜はとても大事な日で、こうして一緒に過ごせることに感謝する。
二人とも、実家に帰るのは明日の25日から26日だ。
しかしまた年末年始に会う約束をしているし、楽しみにしていた。

「ねえねえあそこに座ろう。私、ホットワイン買ってくるね。記念の年数入りで持ち帰れるんだよ」
「うん、それは嬉しいけど、待って。俺も行くよ」

今日はいつもよりはしゃいでいるあなたに、彼は慌ててついていく。

「買うのは私だよ」と言いながら店の前で楽しそうにメニューを選ぶ恋人の姿を、彼は後ろで穏やかに待っていた。

「はい。熱いから気をつけてね。⋯って、あっ。手袋してるから大丈夫か、はは」
「そうだね。君からもらった手袋とマフラー、すごく暖かくて気持ちいいよ」
「よかったぁ。私もヴィクトルからもらったこのイヤーマフラー、もこもこですっごく可愛くて気に入ったよ。ありがとうね」

照れたようにはにかむあなたのことを、思わず抱きしめたくなる。
しかし今回も手が塞がっていたため、諦めて自分も礼を言った。

石畳の休憩スペースへ戻ってきて、二人で飲み物を抱えながら温まる。
遠くにはライトアップされた大聖堂と、移動式遊園地があり、まさに冬ならではの景観だ。

中でも広場の中央にそびえ立つ天然のクリスマスツリーは眩く彩られ、驚くほどに美しく見えた。
きっと隣で目を輝かせて感動しているあなたがいるからだろう。

「⋯⋯⋯⋯」
「ねえ。今日もあんまり元気無くない? ヴィクトル」
「⋯⋯えっ? そんなことないよ。元気だよ俺は」
「本当に?」
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