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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第16章 真相編


その日のうちにヴィクトルは行動を起こした。オフィスから営業部長へと電話をかける。

「マックス。ミーガン・ホランドを呼んでくれ。――ああ、ここに来るように」

通話口で一瞬驚かれたが、声のトーンに由々しき事態を察したのだろう。友人でもあるマックスはすんなりと言うことを受け入れた。

ヴィクトルはデスク前に座り、扉を一点見つめて鋭い眼差しの下で指を組んでいる。

高級スーツに身を包む彼が普段仕事でも見せないような冷たい雰囲気をまとい、不気味なほど静かだった。

「失礼します」

ミーガンはしとやかな声と共に扉を叩き、入ってきた。
会釈をして微笑みまで浮かべている。
上司のヴィクトルにちらりと目線をやり、ほどよい距離で立ち止まった。

「あの。ご要件とは何でしょうか」
「君に確認したいことがある」
「はい」

ミーガンが表情を和らげて一歩前に近づこうとしたが、彼は姿勢を変えずに静かに見つめている。

その姿を見た彼女は一瞬動きを止めた。

「クリスマスパーティーの日、俺の婚約者と話をしたそうだね。これはその内容を記した書類なんだが、事実かどうか目を通してくれ」

ヴィクトルが差し出すと、困惑したミーガンはそれを受け取り、視線を落とした。

その表情が上司に確認されてると知らぬまま、彼女は大きな反感を示してわななく。

「これ、なんですか。違いますよ、こんなこと言ってません」
「本当か?」
「はい」
「だが、その場の個室に居合わせた部下からの報告なんだ。俺はその人物をとてもよく信頼している」

ヴィクトルはそう話し、ゆっくりと立ち上がる。
するとミーガンは言葉に詰まり、細い首元で唾を飲み込んだ。

「でもこれは事実じゃないですよ。誇張されてます。少し、部長の彼女さんとお話しただけです。⋯⋯それとも、彼女が告げ口したんですか。こんなふうに言われたって」

ミーガンは目の端に小さな笑みを浮かべ、問題を狭小化させる様子だった。

ヴィクトルは動じず、高所から目線を捉えたままだ。

「いいや、俺は何も知らなかったよ。さっき話したように、部下から初めて聞いたんだ」

淡々と事実を述べると、彼女は奥歯を噛んで押し黙る。
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