第15章 クリスマス編
「今日、ヴィクトルの家に泊まってもいい? まだ一緒にいたいな」
そう告げると、彼は切れ長の瞳を見開く。
だがすぐに、握っていたあなたの手を自身の膝の上に招いて、しっかり繋ぎ直した。
「もちろんいいよ。嬉しいな、一緒にいてくれるの? 俺も君と過ごしたいよ、いつでも」
彼はあなたの頬に手を伸ばし、愛おしそうに触れる。
「それにね、もう俺の家じゃなくて二人の家だからね。これは決まったことなんだから」
彼の満たされた笑みが、心に優しく浸透していく。
あなたはまた安心感を得て、頷いて細めた瞳に安らぎを広げた。
こうしてこの夜は、同じ場所に一緒に帰ることになった。
玄関先で、ヴィクトルは焦っていた。完全に二人きりになった途端、あなたの唇に自身のを重ね、コートの上から腰を引き寄せて口づけをした。
「ん、んぅ」
あなたの吐息がもれ、彼がこぼすまいと形良い口元で塞ぎ、ぐっと抱きかかえる。
コートが脱げ落ち、赤いドレスが露わになったあなたは、彼のたくましい腕に軽々と抱き上げられ、部屋に連れられた。
とっさに彼の顔を覆うように掴まり、後ろを確認する。
「ふふっ。このまま行くの? 見えないでしょう」
「大丈夫、寝室までの道は忘れないよ」
男らしい宣言に思わずはにかむが、ベッドに到着したら双方にもう余裕はなかった。
覆いかぶさるヴィクトルを受け止め、赤らんで恍惚とした顔つきでキスを交わす。
肉感的にはだけた彼の背中に腕を回し、あなたの白肌も甘く暴かれていった。
「んっ⋯あぁ⋯っ」
首筋を指先で確かめるようになぞられて彼の唇が吸いつく。動く緩やかな黒髪がくすぐったく愛しい。
唇から伝わる体温が、あなたの身も心もとかしていく。