第15章 クリスマス編
「君の番号が呼ばれてるようだ」
「えっ本当だ!」
「アンドレイ。君のもだよ」
どうやら番号が近いらしく、あなたは5人分ほど一気にされたアナウンスに従って、係員のもとへ彼と向かった。
その際舞台上のヴィクトルと笑みを交わし、あなたは小さく手を振った。
エリオのもとに戻ってきて、プレゼントの箱を開ける。アンドレイはやけに大きい包み紙をばりばり破っていた。
「⋯⋯あっ! これ、髭剃り? あはは、男の人用だったな」
「⋯⋯なんだこれは。要らないな」
アンドレイが中身を見て明らかに嫌そうな顔をする。そこには手で抱えられそうなクマのぬいぐるみが入っていた。
「わあ、可愛い〜ふわふわですね。でも女の子用ですねこれ」
「ああ。交換しよう。君のと」
「それがいいな。これ以上君がぬいぐるみを抱えてる姿が俺には耐えられないよ。アンドレイ」
冗談ではなく真剣にこぼすエリオを見てあなたは吹き出してしまった。
気に入らなかったら交換してもいいらしく、あなたはアンドレイにクマのぬいぐるみを渡された。
クラッチバッグしか持ってないために予期せぬ容量になってしまったが、暖かさと可愛さに癒される。
「名無しさん、荷物になるだろうからそれは受付に預けておくよ。君と話せてよかった。ではまたな」
「こちらこそ、ありがとうございます! あ、エリオさん、まだプレゼントもらってないんじゃ——」
「俺は参加してないんだ。物が増えるのが苦手でね」
実用的な彼はさらっとそう言うと、別れの挨拶をして颯爽とその場をアンドレイと共に去ろうとした。
だがその時、アンドレイが思い出したように振り返る。
「そうだ、君のクッキーはとても美味かった。礼を言おう。皆が食い尽くしてヴィクトルが悔しがっていたな」
「ああその通りだ。ごちそうさま。いい腕だ」
彼らに褒められ驚愕したものの、去り際に慌てて「こちらこそ!」と礼を返した。
その話はすでにヴィクトルから聞いていて、すごく驚いたが、とても嬉しく照れも募る。
なんだか、クールな人たちだったけど、優しいな。
そんなまっさらな印象をもったあなたは、しばらくドキドキと朗らかな気持ちを同時に感じて立っていた。