• テキストサイズ

美オヤジを誘って囲われて救われる話

第15章 クリスマス編


そこからは驚きの光景だ。軽やかにステージに上がったヴィクトルは慣れた口調で司会を始める。

「さあ皆さん、少しだけ手と口を止めてもらえるかな。わざわざ俺が司会をする時間だ、例年通りね。ああそう、プレゼント早く欲しい? そこのボクねえ、去年もいたの覚えてるよ。おじさんはプレゼント配る係じゃないからね。——え? ゲーム機とかそういう凄いのはないんだって。親御さんに買ってもらいなさい」

ステージに映える彼の美男子ぶりと、それにそぐわぬ辛口にあなたは驚いたが、彼は会場の笑いを掻っ攫っていた。

「す、すごっ、ヴィクトルこんなことも出来るんだ。ほんとはコメディアンなの?」

独り言をもらすあなたは興奮してスマホを向け、遠慮なく彼の姿を保存していた。

このイベントは参加者がちょっとしたプレゼントを持ち寄り、皆がクジを引いて交換するのだ。

あなたも自分の番号を見ながらワクワクしていた。皆すでにラッピングしたものを提出済みである。

そんな中、男性に突然声をかけられた。振り向くと、一見壁のように大柄で、坊主に近い短髪の強面の男が立っている。

その格闘家のような体格から、セキュリティだと思ったあなたは咄嗟に頭を下げた。 

「すみません! ここ邪魔でしたか? すぐ移動しますので!」

そそくさと動こうとすると、隣にいた眼鏡でオールバックの男性が声をかける。

「名無しさん、かい? こんにちは。俺達は怪しい者じゃない。ヴィクトルの友人であり同僚だ。驚かせてしまったようだね」
「⋯⋯だから言っただろう、俺は後でいいと」

ぼそっと無表情な男性に見下され、あなたはまだ恐れおののいていたが、眼鏡の人の話を聞いて納得し、勘違いして申し訳なくなった。

「そうだったんですね、エリオさんにアンドレイさん。はじめまして、挨拶が遅れましてすみません。名無しと申します。若輩者ですがどうぞよろしくお願いします!」
「ああ、よろしく。今どきしっかりした人だな。ヴィクトルに合いそうだ」

彼らと握手を交わしたとき、会計士のエリオがふと微笑んでくれたことが気持ちを和ませた。

だが、3人とも静かなタイプであり、マックスやクリスのようにどう話を弾ませたらいいか分からない。

年代も倍近く離れていて、あなたがまごつき出すと、強面のアンドレイが手のひらを見てきた。
/ 267ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp