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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第15章 クリスマス編


ホールの扉を開けると、そこは別世界のようだった。薄暗い中に間接照明やキラキラしたミラーボールが天井にあり、音楽も鳴っている。

音に合わせて年代問わず体を揺らしてる人もいるし、立食形式でビュッフェや飲み物を皆が楽しんでいる。

「わあ、すご〜い! ほんとにここ会社の中なの? ヴィクトル、アットホームって言ってたけど、全然素朴じゃないよ! ナイトクラブみたいだよ!」
「そうだねぇ。今年の担当者は誰だったかな? 少し雰囲気が違うな」
「白々しい。僕ですよヴィクトル」
「えっ!!」

あなたの驚き声に対し後ろから気配なく現れたのは、金髪を上品に横分けにした青年クリスだ。

チェック柄のシャツに鮮やかなスーツをまとい、両手にグラスを持って満面の笑みを浮かべている。

「ああ名無しさん! よくぞ来てくれましたね。僕も本当に嬉しいです。これどうぞ。3人で乾杯しましょう」
「あっどうもクリスさん、お誘いありがとうございます」

スパークリングワインを受け取ったあと、クリスは素早く自分のもテーブルから持ってきて華々しく乾杯をした。

「うん、美味しい〜っ」
「そうでしょう、そうでしょう。どうですか会場の雰囲気。今年は年長者の好みではなく若者に合わせた嗜好を取り入れクラブ化してみたんです」
「なるほど、素敵ですね! 顔があまり見えない感じの照明がとくに気に入りましたよ」
「えっ? そうなの? 暗すぎないかこれ」
「ふふふっ! 分かってませんねヴィクトル。彼女は恥ずかしがり屋なのです。僕の粋な計らいですよ」

自慢げに語る部下にヴィクトルは本当かという顔をする。

「まあいいか。ほら見てごらん、踊ってるのは俺達のような年長者が多いみたいだぞ? 皆楽しんでるようだな。よくやったよ、クリス」
「うーん。褒められるのは嬉しいんですがね、少し思惑と違うような⋯⋯あれ? 見てください、僕の兄貴が踊らされてますよ!」

途端に小気味良く笑い出したクリスにつられ、あなた達はホールの中央を見やる。

すると同年代から上の部下達に、無理やり中に引き入れられてぎこちない動きを披露しているガタイのいい男性がいた。
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