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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第15章 クリスマス編


「うわぁ、美味しそう! これなぁに? プレゼント用みたいになってて可愛い!」
「社員が持ち帰れる食事やケーキだよ。お酒もね。今回もこのビルのビストロが担当していて、たまに昼に食べるんだけど、とっても美味しいんだよ。あとで俺達も持ってこう」

ウインクする彼にあなたは表情が輝く。部下のクリスの話により、密かに食事も楽しみにしていたのだ。
それはドキドキを和らげるための薬でもある。

その場にも思い思いのドレスアップをした社員が集まり、すでに賑やかだった。本当に彼らの家族や配偶者、子供の姿も見られる。

「お母さん、このツリーと写真撮って!」
「いいわよ、あっ、触っちゃ駄目だからね!」

社員らしき女性のそんな声も聞こえてきて、なんだか驚きと微笑ましさがわく。

「名無しちゃんも撮りたい? やたらでかいよな、このツリー」
「はははっ。あとで撮ろっかな」

あなたは天井近くに届く神々しい金色のツリーにぽうっとしてるところを見られ、急に恥ずかしくなってきた。

だがそこへ、とある小柄でふくよかな女性がこちらに優しい眼差しを向けていることに気づく。

「おっ、スザンヌ。こんばんは。君もご主人と一緒かい?」
「ええそうですよ。そちらが名無しさんですか? まあなんて素敵な方」

近づいてきた彼女は彼の秘書らしく、慌てて挨拶したあなたの手を両手でぎゅっと握ってくれた。

「はじめまして、名無しと申します。お会い出来て本当に嬉しいです!」
「私もですよ、とっても光栄です。よろしくお願いしますね。いつもヴィクトルからお話を聞いてるんです」 
「ええっそうなんですか?」

どんな話だろうと心臓がバクバクするものの、そばに立つヴィクトルの表情も柔らかい。
ようやくあなたを親しい仕事仲間に紹介できた喜びが伝わる。

「俺も二人が知り合えて嬉しいよ。そうだスザンヌ。ツリーを背景に撮ってくれないか?」
「あらそんなことを? いいですね、ふふふ」

彼女は笑っていたが、赤くなったあなたと一緒に、盛大に飾られたツリーの横に彼は立った。

明らかに周りの皆も興味深そうに見つめている。
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