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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第15章 クリスマス編


今夜はヴィクトルの会社のクリスマスパーティーだ。
数日前から緊張していたが、ドレスアップをしてクラッチバッグを持ち、準備万端だった。

ルビーのネックレスに合う深い赤のシルク素材のドレスで、落ち着いたクラシックな装いだ。ゴシックテイストもあり、けっして地味ではない。まるであなたの芯の強さを表すようなオーラを放っている。

実はこれはブティックで選んだもので、あなたの婚約を知ったオーナーが、親友である母と共同で婚約祝いとして贈ってくれた服なのである。

本当にいいのかと尋ねたら、「クリスマス会楽しみなさい。宣伝にもなるでしょ」と商魂逞しい笑顔を向けられ、あなたもそういうことならと、真摯に有り難く受け取った。

母に婚約を教えた際も明るく喜んでくれていた。彼のことを伝える機会が増えたから、きっと周囲もあなたの真剣さをより感じているのだろう。

「よし、着いたよ。大丈夫? 名無しちゃん。自由参加の会だから、いつも通りでいいからね」
「う、うんっ。大丈夫大丈夫」

迎えに来てくれた彼の車から降りるときも、手をもってエスコートされる。全然いつも通りではない。

それに、今日のヴィクトルもなんて素敵なんだろう——。

あなたはグレイの絶妙な濃淡でまとめた彼のスーツ姿に見惚れる。
そこまで気合は入ってないと笑っていたが、ちゃんとあなたに合わせたエレガントな装いだ。

会の雰囲気が分かるように、例年の集合写真を見せてくれた彼の気遣いにも感謝した。

これで浮くことはないだろう——。そう深呼吸をして、あなたは金融街に建つ高層ビルの上階へ一緒に向かった。


ヴィクトルが勤める「ソルヴェンテ・コンサルティング」は、この本社に二百人以上の社員を抱えている。
毎年12月半ばのクリスマス会には半数以上が参加し、残りは自由に冬の休暇を取ったりするようだ。

メインの会場は上層階にあるホールで、そこへ行くまでにも凄い光景が広がっていた。
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