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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第15章 クリスマス編


「……仕方ないな。なんだか俺もお前達が可哀想になってきたよ。さあ思う存分食え。きっと名無しちゃんも許してくれるだろう」
「オイお前今俺らを憐れんだな? 言っとくけどお前もまだ独身だからな? つうかな、結婚なんて墓場なんだよ! ミロを見ろ、ミロを!」
「なんだよ俺だって幸せだよ。ただちょっと子供の手がかかって二人のゆとりがないだけから。俺の奥さんだって優しいぞ、いつも昼のサンドイッチ詰めてくれるんだから。まあ家事はほぼ俺担当だけどな〜」

そんな惚気を聞いたヴィクトルもエリオも「十分幸せだ」と頷いていた。

そして最後に意外な人物が部屋に現れる。

「ヴィクトル、失礼します」
「ああ、君か。どうぞ」

小柄でふくよかな女性秘書だ。年齢は彼より一回りほど上で、長年の付き合いがある。
 
「あら珍しい。皆さんお揃いで」

彼女は幹部の面々に驚きながらも、手短にこれからの予定を伝えた。

「君も一緒にどうだい? スザンヌ」
「いいんですか」
「もちろん。君は俺たちの大事な仕事仲間だからね」

甘いもの好きな彼女は菓子の飾りを褒めたあと、一枚を美味しそうに頬張った。星型の白いシナモンクッキーだ。

「美味しいわぁ。ヴィクトルは幸せですね。こんなに素敵なものをプレゼントしてもらえて。お話聞かせて頂いただけですけど、名無しさんのお人柄が出てる気がします。丁寧で色とりどり、味もスパイスがしっかり効いてきて」

両者に面識はないが、ヴィクトルはすでにあなたの話をしていた。彼も彼女の夫をよく知っているし、婚約をしたということは、これから長い付き合いになるだろうからだ。

「そうだろう? ああ、君のように味わいを分かち合える人がいてくれて嬉しいよ」

ヴィクトルは彼女の微笑みと全てに共感できるコメントに救われた。
ほぼ食べ尽くされたクッキーに寂しさは湧いたものの、きっとあなたなら喜んでくれるだろうと信じたのだった。
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