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彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】

第6章 番外編 七海は彼女を愛したい


「え? 五条さんから聞いてない?今日、建人さんの好きなもの作るから、仕事終わったらうちに来てって……」


「……五条さんに、伝言を?」


七海のこめかみが、ぴくりと跳ねた。
朝の、あの男の顔がフラッシュバックする。


『あれぇー? おかしいなぁ、後回しにされちゃったのかな?』


あの時、奴はすべてを知っていたのだ。
彼女が自分を待っていることも、手料理を準備していることも。
それを隠したまま、自分を散々煽り倒していたのだ。


「……そうですか。あの人は、私に一言もそんな話はしていません」

「えっ、嘘……! あの人、また忘れたの!? それともわざと……!?」


が驚いて手を止めるが、七海の怒りの矛先は五条だけではなかった。


「……いいえ。あの性格です、十中八九『わざと』でしょうね。……ですがさん。貴方も貴方だ。なぜ、大事な約束をあの男に任せたのですか。直接私に連絡すれば済む話でしょう」


「それは……前にバレンタインの相談してたら、五条さんが『ナナミンには僕が伝えてあげるよ! 任せて!』って……」


「……最も信頼してはいけない人間に、最も重要な局面を任せるとは。……効率が悪すぎます。おかげで私は今日、不必要なまでに感情を乱され、あろうことか現場で不覚を取りました」


七海は吐き捨てるように言い、ソファに深く腰掛けた。
五条のうざい自慢、家入と伊地知のチョコ。
そして自分だけが何も知らされず、仲間外れのような疎外感の中で不必要な怪我までしたという事実。
すべての元凶が五条の「愉快犯的な隠蔽」だったと理解した瞬間、七海の不機嫌は、沸点を超えて静かに澱んでいた。



「……建人さん、怒ってる……よね。本当にごめんなさい」


「怒ってはいません。……ですが、非常に不快ではあります」



そう言いながらも七海の視線は、キッチンカウンターに置かれた、他のみんなに配っていたものとは明らかに箱の大きさが違う「特別なラッピング」へと吸い寄せられていた。



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