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彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】

第4章 彼女は七海の幸せを心から願っていた


高専からの帰り道、夕闇が迫る参道を一人歩いていると、バイクのエンジン音と共に派手な長髪をなびかせた女性がの横で止まった。
特級術師、九十九由基。



「お嬢さん、いい顔してるね。絶望と希望を煮詰めて、毒と一緒に飲み込んだみたいな顔だ」


彼女はバイクに跨ったまま、快活に笑いながらを覗き込んできた。


「九十九、さん……」


「そんなに警戒しなっくてもいいよ。私はただの通りすがりの、少しお節介な女さ。…君はどんな男がタイプだい?……なんてな。……七海の話は聞いてるよ。…君、何かに悩んでるだろう?」


彼女には、悩みが全て見透かされているようだった。


「……ある『店』で、提示されたんです。失った愛する人を呼び戻すために、その人が遺した……今、私の中にいる新しい命を差し出せ、と。……等価交換だと、言われました」



は震える声で、けれど必死に言葉を絞り出した。



「等価交換ねぇ。店主さんは随分と古典的な理屈を並べるじゃないか」


九十九は呆れたように肩をすくめると、真剣な眼差しでを射抜いた。



「いいかい、お嬢さん。死者を現世に呼び戻すなんてのは、この世界のシステムそのものをハッキングするようなものだ。だから、それ相応の……例えば、その子のような特大の代償を求められる。リスクが高すぎるんだよ」


「でも、それしか方法がないなら……私は……」

「焦りなさんな。視点を変えるんだ」



九十九は人差し指を立てて、の眉間を軽く突いた。



「君の目的は何だい?『死んだ七海建人を蘇らせること』か? それとも『七海建人と共に生き、彼を幸せにすること』か?」



「それは……後者です。彼が笑って、隣にいてくれるなら……」


「なら、わざわざ正面(蘇生)から入る必要はない。いいかい、この世には『死んだ』という事実と、『生きていない』という状態の間に、ほんのわずかな隙間がある。……呪いも、想いも、魂も、結局は情報の集積だ。彼を丸ごとゼロから作り直すから高くつくのさ」



は息を呑み、彼女の言葉を反芻した。






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