彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】
第3章 彼女は七海と幸せになりたい
翌朝の冷え切ったリビングに差し込む朝陽は、残酷なほどに明るかった。
は一睡もできず、割れたグラスの破片もそのままに、玄関の扉が開く音を待ち続けていた。
不意に、呼び鈴が鳴る。
弾かれたように立ち上がり縋るような思いで扉を開けた。
けれど、そこに立っていたのは愛する夫ではなく、酷く疲れ果てた顔をした家入だった。
「……硝子さん」
家入の瞳を見た瞬間、の身体から力が抜けた。
彼女がわざわざここへ来た理由を、心が理解することを拒んでいた。
家入は無言で中に入ると、主を失ったままの食卓と手付かずのケーキに目を伏せた。
「……。落ち着いて聞きな」
「嫌っ…言わないで……聞きたくないっ…」
「五条は封印された。……それから、虎杖には、上層部から即刻の死刑宣告が出た。あの子は今、追われる身だ」
家入の声は、乾いていて、それでいて震えていた。
はガタガタと震える手でお腹を抱えた。
最悪の事態が、濁流のように押し寄せてくる。