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彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】

第1章 彼女は七海が幸せになってほしい 



「……あーあ。七海も灰原も、二人していいとこ持ってってんじゃん。俺らのが、あんなキラキラした目で見てるし」


五条が、不満げに唇を尖らせて壁に寄りかかる。
隣に立つ家入は、缶コーヒーを口にしながら、面白そうに笑った。


「いいじゃない。あんたみたいに振り回すタイプじゃなくて、七海みたいな『ちゃんとしたやつ』や、灰原みたいな『素直なやつ』に憧れる時期なんだよ、は」
「俺だってちゃんとしてるし、素直だよ。ねえ傑、今の発言は傷つくなぁ」


家入の視線の先、柱の陰で静かに佇んでいた夏油が、少しだけ口角を上げた。
最近、任務続きで疲弊し、どこか遠くを見ることが増えていた彼だったが、の元気そうな声を聞いている間だけは、その瞳に穏やかな光が宿っていた。


「……いいじゃないか。彼女が笑顔でいられるならね。私は……あの中に入るには、少し疲れすぎてしまったから。遠くで見守るくらいが丁度いい」

「湿っぽいこと言ってんじゃないよ」と家入が夏油の背中を叩き、五条が「よし、終わったらあいつら全員連れて買い食い行くぞ!」と強引に空気を変えた。
談話室では、七海と灰原の協力のおかげで、ようやくたちのノートに最後の答えが書き込まれたところだった。


「できました! 本当に、ありがとうございました!」

「やったねちゃん! 伊地知くんもお疲れ様!」


灰原がパチパチと拍手し、七海は小さく息を吐いて立ち上がった。


「さん、終わったなら早く帰りなさい。あまり遅くなると、3年のあの人たちが……」

「おーい! 終わったかー!? 、アイス食いに行くぞ!」


七海の予感は的中した。
廊下から五条の馬鹿でかい声が響き、の憧れに浸る時間はあっけなく幕を閉じた。
けれど、呆れ顔の七海、嬉しそうな灰原、焦る伊地知、そして背後で微笑む夏油と家入に囲まれて、は心底幸せそうに笑うのだった。
それは、高専の長い歴史の中でも、とりわけ眩しく、温かな放課後のひとときだったーー。




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