• テキストサイズ

彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】

第2章 彼女は七海に幸せになってほしい


低く、地響きのような声。
薬のせいか、それともずっと隠し持っていた激情か。
七海の理性の仮面が、今、音を立てて剥がれ落ちようとしていた。


「同僚として接しろと言ったのは、私だ。……だが、それを真に受けて、他の男の術師と楽しげに話すあなたを見て、私がどれほど……っ」


七海は言いかけて、ぐっと言葉を飲み込むようにを至近距離で見つめた。
その眼差しは、あの絶望の夜、を貪るように抱いた時の、剥き出しの「男」のものだった。


「……失礼。少し、酔いが回ったようです」


七海はそう言うと、いつものように冷静に会計を済ませようとした。
しかし、立ち上がった瞬間に膝が大きく崩れる。
鋼の自制心で保っていた足取りは、見たこともないほどに覚束ない。


「七海さん! 大丈夫ですか?」

「……。大丈夫、です。……触らないでください。今の私は、自分を制御、できていないっ……」


呻くような声。
は彼を支え、どうにか近くのホテルへと滑り込んだ。


五条の「本音を引き出す薬」の威力を甘く見ていた。
本音が出るだけでなく、彼の体温は異常なほど高く、呼吸は荒い。
部屋に入り、ベッドへ彼を横たえようとした、その時だった。

「……っ、、さん」

不意に手首を掴まれ、視界が反転する。
気がつけば、はホテルの白いシーツの上に押し倒されていた。
上に覆いかぶさる七海の重みが、心臓の鼓動を直に伝えてくる。


「ななみ、さん……?」

「……っ、何か、私に……盛りましたねっ、」


七海の眼鏡が落ちる。
露わになったその瞳は、情欲に赤く染まり、獣のような鋭さを孕んでいた。
実はあった薬の副作用――「媚薬」の効果が、彼の強固な理性を内側から焼き切っていた。


「熱い……。身体の芯が、焼けるようだ。……あなたが、あんなに無防備に私の隣で笑うから……」


七海はの両手首を頭上で片手で押さえ込むと、首筋に深く顔を埋めた。
熱い吐息が肌を焼き、は思わず身体を震わせる。


「………っ、」

「同僚として接すると決めた。……そうしなければ、私はまた、あなたを壊してしまうと思ったから」



/ 107ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp