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彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】

第2章 彼女は七海に幸せになってほしい


翌日が休日の夜に、は七海を隠れ家風のバーへと連れ出した。
琥珀色の液体が満たされたグラスを前に、七海はいつものように理知的な表情で、淡々と仕事の話をこなしていく。


「さん、飲みすぎですよ。明日は非番だとしても、体調管理は術師の基本です」

「もう、七海さん。たまには仕事以外の話、しましょうよ。……私のこと、どう思ってますか?」


少し潤んだ瞳で問いかけても、七海は微動だにしない。


「優秀な同僚だと思っています。以前よりも呪力の扱いが安定してきましたね」

(……鋼。鋼すぎる、この人)


七海の「大人」の壁は、の誘惑や甘えを、すべて「指導」という形でするりと受け流してしまう。


「……少し、席を外します」


七海が洗面所へ立った。その瞬間、はバッグに忍ばせていた小瓶を取り出した。


ーー「ナナミンはね、自制心の塊だから。普通に攻めても『大人』の壁は崩れないよ。……ほら、これ。おまじない」

「おまじない……?」

「『本音を引き出す薬』。副作用はないけど、理性より感情が勝っちゃう、ちょっと危ない薬かな」ーー



五条の言葉を信じるなら、これで彼の「本音」が聞けるはず。
震える手で、七海のオン・ザ・ロックに数滴、透明な液体を混ぜた。
戻ってきた七海は、何も疑わずにそのグラスを口にする。


「……何か、味が変わりましたか?」

「えっ!? い、いえ……気のせいじゃないですか?」


焦るを余所に、七海は最後の一口を飲み干した。




数分後。
七海の呼吸が、わずかに深くなった。
いつも完璧に結ばれているネクタイを、彼が珍しく指で緩める。


「……七海さん?」

「……。さん」


七海が顔を上げた。
眼鏡の奥の瞳が、これまでに見たことがないほど熱く、鋭い光を帯びている。
彼はの腕を、驚くほどの力で掴み寄せた。


「……あなたは、本当に、残酷な人だ」


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