彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】
第7章 番外編 七海は彼女との時間を邪魔されたくない
案の定、廊下では五条がニヤニヤと待ち構えていた。
「よっ、ナナミン! 昨夜はどうだった? 僕が用意した最高のロケーション、楽しめた?」
「…………五条さん、朝から騒がしいですよ。おかげさまで、ホワイトデーに相応しい『お返し』は済みました」
「へぇー、余裕だね。で? 具体的にどうしたの? あの動画の宣言通り、しちゃった?」
五条が肩を組み、ウザ絡みしながら耳元で囁く。
七海は足を止めず、事務的なトーンのまま、淡々と事実を突きつけた。
「ええ。宣言通り、孕むように何度もナカに注ぎましたよ。……それこそ、彼女の全身を私の精液で、文字通り真っ白に染め上げてやりました。………何か問題でも?」
「……………え、?マジでやったんだ……」
五条の足が、ピタリと止まった。
いつもの軽薄な笑みが引きつり、最強の術師が少しだけ引いたような顔で七海を凝視する。
「……ナナミン、……。……案外、エグいことするよね。……引くわー、マジで絶倫すぎるでしょ。、生きてる?」
「………私の自宅で、安らかに眠っていますよ。………ああ、五条さん、貴方の予約した部屋のシーツ代、後で請求がいきますから。………あそこまで汚れては、クリーニングでも落ちないでしょうし」
七海は眼鏡の位置を直し、戦慄する五条を置いてきぼりにして、悠然と任務へと向かった。
その背中には、昨夜から今朝にかけて一人の女を完膚なきまでに愛で、支配し尽くした男の、恐ろしいほどの充足感が漂っていた。
カーテンの隙間から差し込む昼過ぎの光に、は重い瞼を持ち上げた。
見覚えのある、無機質だが整頓された寝室。
そこが七海の自宅であることに気づくのに、そう時間はかからなかった。
「……建人、さん……?」
掠れた声で呼んでみるが、返事はない。
しんと静まり返った部屋に、彼の気配はなかった。
起き上がろうとして、腰に走る激痛に顔を顰める。
バレンタインの時以上だ。
文字通り、指一本動かすのも億劫なほどに身体中が重だるい。
ふと、首元に冷たい感触と重みを感じ、おぼつかない足取りで鏡の前へ向かった。
鏡の中に映っていたのは、首筋から鎖骨、果ては胸元まで、異常な数で刻まれた痕――。
昨夜、彼がいかに猛り、自分を貪ったかを物語る生々しい証拠だった。