第4章 過ぐる追憶の反芻
昼休憩に入り、書類をまとめているとオペレーションルームに入ってくる人物。私は特に気にせず、作業をしていた。
「っ、ちょっと…!!」
突然、後ろから回ってきた手に驚き、椅子がガタッと音を立てた。肩を抱いた少し硬い手が、軽く撫でる。「来たで」と耳元で囁くので、擽ったくて肩を竦めた。
まだ残っている人たちがみんなこちらを向く。気にすることなくその人物は、私が持っている書類を取り上げた。
「ん?…僕の」
あまりにも視線が痛くて周りに意識を向けたのか、甘い声でとんでもないことを言い始める。
「君らは知っとるやろ?乃愛は僕のもんやって」
知ってる?オペレーターの男性陣たちは、ふいっと顔を逸らした。その反応が肯定だと思い、首を傾げる。付き合ってることなんて、オペレーターの中で知ってるのは小此木と隣の後輩だけのはず……。
宗四郎は何食わぬ顔で私を立たせ、手を引いてオペレーションルームを出ていく。また、手を繋いだまま……心臓は音を立てて喜んでいるのに、離して欲しかった。なんでこんなに…隠すことをやめたの?
そのまま食堂に入って隣同士に座り、ニコニコしているので、私はどうしていいかわからない。みんながヒソヒソと話している。一緒にご飯食べるだけでこんなに注目を浴びるなんて、疲れてしまいそう。