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咫尺天涯 ―遠い恋―【保科宗四郎】

第4章 過ぐる追憶の反芻


宗四郎の「君も遊んだらええで」と言う言葉通り私は、あなたによく似た人を選んだ。でもあなたとは何もかも違くて、私を甘やかして肯定してくれた。

嬉しいはなずなのに、あなたに似ているのに――私は満たされなかった。やっぱり、宗四郎じゃないとダメなの。

宗一郎さんと一緒に行った、宗四郎の実家。ご両親は笑顔で迎えてくれた。でも、その笑顔の裏側はすぐに現れた。

「宗四郎の彼女て、亜白隊長やないんやね。ましてや、ただのオペレーター。銃器の解放戦力高い人やと思っとったんに。……あんた、保科家に必要ないて、わかっとる?」

頭を鈍器で殴られたような感覚。好きな人にも、好きな人の家族にも、私は歓迎されていない。どうして宗四郎と付き合っているのか、余計わからなくなった。それでも手放せない。

「そないな言い方あらへんやろ。宗四郎から告って、めっちゃご執心なんやで?それに、オペレーターやって、俺らにとってはめっちゃ大事なもんや。命、預けとるんやから」

宗一郎さんはそう言って私を庇ってくれた。出来ることなら私も宗四郎の隣で戦いたかった。でも現実はそんな甘くはないから、私はオペレーターとしてやっていくと決めていた。誇りを持っていた。

ただ、宗一郎さんの"宗四郎がご執心"という言葉は、よく意味がわからなかった。

「私は亜白隊長でも、戦闘員でもありません。ただのオペレーターです。でも――宗四郎さんが好きです。すみません、この気持ちは変えられません」

言い返した私にご両親はご立腹だった。それでも、言ってしまったことに後悔はしていない。本心を伝えただけだから。

今考えると、宗一郎さんに抱かれた後で言ったその言葉に、冷えた笑いが零れる。お互いが裏切った私たちの関係は、壊れていくだけ。再構築など、出来るのだろうか。

それでもいいから…壊れていてもいいから、私はあなたのその重い鎖に、繋がれていたい。
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