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咫尺天涯 ―遠い恋―【保科宗四郎】

第1章 泡の飛沫


次の日、いつものように出勤して仕事をする。副隊長はやはり非番だった。廊下を歩いていると聞こえてきた声。

「副隊長にキスマつけちゃった」

「えっ、彼女じゃん!」

なんでそのくらいで彼女になるの。キスマくらい……私、つけたことあったっけ?いや……なんで女性隊員に手を出してるの。

オペレーションルームに戻り、書類をまとめる。まだ少し痛いな……歩く度に座る度に、入り口の傷が痛む。奥もヒリヒリして、炎症を起こしている。

「宇侍見さん、副隊長の噂…知ってます?」

いきなり後輩が声をかけてきて首を傾げる。副隊長の噂って……夜中にこっそり自主トレしてるとか?あれは、こっそりではないか…。

「立川の女性隊員はほとんど"竿姉妹"って…」

「……言い方…そんな噂があるって、本人は知ってるの?」

そんなに同僚と関係を持ってるなんて知らなかったな…。後輩は首を傾げる。副隊長が知ってるかどうかはわからないみたい。どうやら後輩は"まだ"らしく、「してみたいな」と零していた。

帰ったら注意しておこう。副隊長にそんな噂があったら、色々と面倒臭いことになるだろう。みんなは……私みたいな抱かれ方をしてるんだろうか__。
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