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咫尺天涯 ―遠い恋―【保科宗四郎】

第3章 触れた逆鱗


連れて来られた場所は居酒屋で、その前に立っていたのは――第6部隊のあの新人だった。なんでここにいるの?副隊長と新人を交互に見る。有休を取って立川に来たようだ。

そもそも、なんでこの二人が?よくわからないまま居酒屋の個室に入り、少しお酒を飲みながら他愛もない会話をしていた。

「気になってたんですけど……どうして基地で保科副隊長が出てきたんですか?俺、乃愛さん呼んだんですけど…そして、今もどうして一緒に?」

いつの間にか苗字から名前に変わっていた。これが"狙ってる"ってこと?ごめんね、隣に"好きな人"いる。

あと……どうして副隊長が?私もよくわからない。そのまま私に連絡が来るはずなんだけど……。

「そんなん、お前みたいなんのが、乃愛にくっつかん為や」

「え?」

「……副隊長やからや。まず僕を通すんねん」

何事もなかったかのように言い直した副隊長。それって……今までもそうしてたの?誰か訪ねてくると、副隊長から連絡が来るのを不思議に思っていた。副隊長が私の交友関係を管理していた?

「プライベートで会いに来てくれたんですよ」

プライベートにまで口を出さないで欲しい。私は副隊長のことに何も言っていない。いつ帰ってくるのかも、誰と会うのかも聞いたりしない。

「来て"くれた"?彼氏おるくせに、プライベートで男に会うんか」

え、なにその…特大ブーメランみたいなの。副隊長を纏う空気がピリついて、開かれた瞳に睨まれる。怒りがフツフツと沸いてくる。なんで私ばかり、こんな言われなきゃならないの。

「プライベートで女性に会ってるのは誰ですか」

「……っるさい。この話は終わりや」

目の前で私たちの言い合いを聞いていた新人は、驚いた顔で固まっていた。何してるんだろ、私。どんどん、私たちの関係が広まっていく。
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