• テキストサイズ

咫尺天涯 ―遠い恋―【保科宗四郎】

第2章 鏡の花、水面の月


新人たちの育成って……疲れる。飲み込みが早い者から遅い者まで様々で、その人たち一人一人に合った早さで教えなければいけない。きっと、そうした方がみんなちゃんと成長出来るから。

「宇侍見さんって、彼氏いるんですか?」

何故その話題……就業時間終了後のひと息つく瞬間、先程まで教えていた新人がプライベートなことを聞いてくる。

「うーん……どっちだと思う?」

「綺麗で優しくて、仕事も出来るので…いそうです」

私って、そんな風に思われてるの?お世辞?でもそんなことを言ってくれる男の人がいなかったので、さすがに照れてしまう。私より幾らか下の男性。

「え…なんですか、その反応……可愛過ぎます。いない、んですか?」

なにこれ、拷問?可愛いとか、副隊長が言っていたとかって言われたことくらいしか言ってもらったことない。両手で顔を隠しながら「内緒」と呟いた。

「えぇ…じゃあ狙ってもいいですか?付き合えても遠距離なるかもしれませんけど……」

今の子って、こんなグイグイ来るんだっけ……答えられずにいると、グッと顔を近付けてきて「いいですか?」とまた聞いてくる。業務時間外だからって、先輩を揶揄うな…。

私って、意外と男に耐性がないようだ。「好きな人いるから頑張って」と言って逃げた。このくらい許されるよね?そもそも、付き合ってるかどうかもわからないんだし。
/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp