第2章 鏡の花、水面の月
あれから2週間ほど経った。私はオペレーターの育成という名目で応援要請が入り、直接第6部隊の隊長が迎えに来て、遥々兵庫まで来た。戻ってくる頃にはほとぼりが冷めているといいな…。
「あの、保科隊長……随分と保科副隊長が反対されていたようですが、よろしいのですか?」
「なんや、彼氏と離れたないん?」
「え?……なんのことですか?」
とぼけると保科隊長は笑っていた。この人も知ってるんだ…第3部隊の人ではないのに。それに私は付き合っていることを否定していた。
「オトンとオカンが言っとったで。"可愛ええ彼女できた"て、めっちゃ嬉しそうに連絡してきよったって」
それって……いつの話?これで私たちのことを知っていたのは、5人。全て、副隊長が報告したものだった。どういうつもりで報告してるのか…。
"可愛ええ彼女"か…いつ、そんな風に思ってたの?あんな、告白とは思えない言葉で口説いたくせに…。
飛行機が着陸する頃、保科隊長は笑った。
「大事にされてへんのやろ。あいつ、バカなん?」
どうして気付いたのだろう。私は何も言っていない。立川にいる時も普通にしていた。柔らかく笑う顔が、副隊長によく似ていた。