【チェンソーマン】先輩、私はそっちじゃない〈早川アキ〉
第2章 あなたの領域
浴室を出て身体を拭く。
玄関に置いていた制服がない。
下着までない。
「裸でいろと…?」
ボソッと呟いて、またタオルを身体に巻く。
この前まで女子高生だったのに、年上の…しかも好みどストライクの男の人の前で、こんな格好でいなきゃいけないなんて…。
タオルを巻いているのに、自身の身体を腕で隠しながらリビングに向かう。
先輩がいない。
そのうち来るだろうと、床に座って待つことにした。
さっきの先輩……本当は冗談じゃなかったよね?
よくよく思い出してみると、"先輩はあんな冗談はしない"と思った。
会ったばかりでほとんど知らないけど、一緒に戦ってみてわかった。
「じゃあ――お願いしたら、してくれる…?」
「なんの話だ」
先程、先輩がベランダに出てきた部屋から、首を傾げながら出てきた先輩。
私服だ…なに着ててもかっこいいな。
「あ、えっと……先輩。
――処女に興味ありませんか?」
先輩は眉間に皺を寄せて、また部屋に戻っていった。
引かれてしまったようだ。
今日会ったばかりなのに、踏み込み過ぎた。
でもすぐに先輩は出てきて、安心する。
手に持った白い布。
服かな?
目の前に差し出されたので受け取ろうとした――でもすぐに引っ込めて、無表情で見下ろしてくる。
「痛いって泣かないならする。
後で拗らせる気がないならする。
納得出来たら――タオルを取れ」
――この想いは…閉じ込めておけばいい。
後で私を好きにさせればいい。
水分を吸ったタオルが床に落ちた。