【チェンソーマン】先輩、私はそっちじゃない〈早川アキ〉
第2章 あなたの領域
「………あ、き……」
震えた声で呟いた言葉は、先輩が答えたことで、確かなものになった。
「ん?どうした?」
怒らないんだ…優しい声で…優しい顔で答えてくれる。
後輩が呼び捨てにしてるのにな…。
本当にこうやって、デビルハンターは簡単に死んじゃうんだ。
だったら――気楽に生きないとですよね。
「アキ……好き。
初めて会った時から……
一目惚れだった」
先輩は驚きもせず、嫌がりもせず…ただ穏やかな顔をしていた。
「ごめん。
俺、好きな人がいるんだ」
「……嫌じゃなければ、聞いてもいいかな?
――姫野先輩?」
先輩は首を振った。
セックスをしているのに、好きなわけじゃないんだ。
恋人じゃないんだ……姫野先輩も私と同じなのかな?
いや、たぶん…私の方が下。
2番目でも3番目でもいいから…愛して欲しい。
「マキマさん」
そっか…マキマさんかぁ……敵いっこない。
姫野先輩でも敵わないのに、マキマさんなんて…同じ土俵に立てるはずもない。
「今日だけ――アキの恋人にして欲しい」
先輩は頬を撫でて口付けた。
幸せを知ってしまえば、もっと、もっとと…求めてしまうのはわかっているのに、今、求めずにはいられなかった。
「ん、いいよ__」