【チェンソーマン】先輩、私はそっちじゃない〈早川アキ〉
第2章 あなたの領域
ベッドの中に潜り、眠るバディの寝顔を見つめる。
早川先輩と変わらないくらい、私に刺さっている。
でも…早川先輩じゃないとダメなんだ。
何故かわからないけど、あの人がいい。
枕が濡れていく。
バディとしたことを後悔しているわけではない。
なんで私は1回きりなのに、あの先輩のことは何回も抱くんだろう。
たぶん、アレが初めてじゃないよね…。
「風澄…泣くくらいなら、俺にしとけばいいじゃん」
伸びてきた手が涙を拭い、私の顔を胸に引き寄せた。
髪を優しく撫でられている。
私、あやされてる…。
「……好きなままでいいんですか?」
「ちゅーしてくれるならいいよ。
ひとつくらい、俺に初めてちょーだいよ。
したことないんでしょ?キス」
私はそのままバディの胸で黙った。
キスが嫌なんじゃない、私もこの人も苦しくなるのがわかっていたから。
もし、私を好きと言ったことが本当じゃなければ、もう少し近付けたのかもしれない。