【チェンソーマン】先輩、私はそっちじゃない〈早川アキ〉
第2章 あなたの領域
リビングには――制服がはだけた女の人がいた。
下はほとんど履いていなくて、足首に下着が引っ掛かっている。
わかってる。
初めて会った日に私を抱いてくれた人だ。
誰とそういうことをしていてもおかしくない。
でも……私とは違う抱き方をしてるんでしょう?
下唇を少し噛んで、笑顔を浮かべた。
「お邪魔しますね」
「おい、今日は帰れ」
早川先輩やバディも来て、女の人を見ている。
あぁ、最悪だ。
先輩を見てわかっていたのに、なんで確認してしまったんだろう。
曖昧なまま、知らないままでいればよかったのに。
「何回ですか」
「は?」
「この人と、何回しましたか?」
拗らせてしまった。
どうでもいい存在が、底辺まで落ちる。
「あ、姫野先輩じゃないっすか。
そういや、バディは早川だったすね」
私のバディが先輩と言っているということは、結構年上なのではないか?
早川先輩は…年上が好きなんだ。
「すみません、お邪魔しました。
――あの…いいですよ。
ホテル、行きましょうか」
バディの手を引いて、早川先輩の顔を見ず、家を出た。