第1章 灰色の雨と、血の誓い
スタジアムは、割れんばかりの歓声に包まれていた。
ヒーロー科、普通科、サポート科、経営科。全生徒が一堂に会する中、いよいよ選手宣誓が始まろうとしていた。
「代表、1年A組……爆豪勝己」
その名前が呼ばれた彼がステージに上がった瞬間、は呼吸を忘れた。
マイクの前に立ったのは先程の金髪の少年だった。
彼はポケットに手を突っ込み、不遜な態度で観客全員を見下ろすように言い放つ。
「宣誓。……俺が一番になる」
会場中がブーイングに包まれる中、だけが、石のように固まっていた。
その立ち姿や、乱暴な物言い、傲慢なまでの自信。
前世の駆藤とは、性格も言葉遣いも全く違う。
駆藤はもっと静かで、落ち着いた大人の男だったはずなのに。
(……なのに、どうして……)
彼が掌で「爆破」をパチパチと鳴らしたその瞬間、の視界に、あの日死にゆく駆藤の最期の瞳が重なった。
重なり合うはずのない二人が、魂の形だけで共鳴している。
「ちょっと、!? 大丈夫!? 顔色真っ青だよ!」
隣にいた普通科の友達が、異変に気づいて肩を揺らす。
「あ……ご、めん。……ちょっと、圧倒されちゃって……」
「そりゃあんな態度なら引くよね。でも、、震えてるよ? 棄権する?」
「大丈夫……大丈夫だから。……ただ、少し……」
は必死に呼吸を整えようとしたが、指先の震えは止まらなかった。