第5章 誰にも言えない甘い刻印
逃げ場を塞ぐように、轟の熱い唇が再びを飲み込んだ。
拒絶しようとしていたはずの体は、彼の強引でいてどこか縋るような口付けに抗えず、次第に力が抜けていく。
意識が白濁し、視界が熱に溶けていく中、ようやく唇が離れると、二人の間に細い銀の糸が微かに繋がって解けた。
「……はぁ、っ、は……焦凍、くん……」
肩で息をするを、轟は冷徹なまでに静かな眼差しで見下ろしている。
その瞳には、彼女を追い詰めるための鋭い光が宿っていた。
「……まだ、何も話してくれないんだな……じゃあ、これはどういう意味だ」
轟は身を屈め、の耳元で地を這うような低い声を落とした。
「お前、うなされながら言ってた。……『ナカをかきまわさないで』、『いく』……ってな」
「……ッ!?!?」
の顔から一気に血の気が引き、次の瞬間には耳の先まで真っ赤に染まった。
「……その反応、ただの夢じゃねえな」
轟の声に、激情と嫉妬が混じり合う。
赤く染まったまま震えるの様子を見て、轟の疑念は確信へと変わった。
「答えろ。お前を、誰が汚した」
「……焦凍くん、もうやめて。本当に、ただの嫌な夢なんだってば」
「ただの夢で、あんなに震えるわけがねえ。……なぜ、ニュースを見た瞬間に意識を飛ばしたんだ。お前、映像を見て、何を思い出したんだ」
彼を、あの化け物に関わらせるわけにはいかないと、頑なに口を閉じたを轟はベッドに押し倒した。
「……焦凍くん、やめて……っ! ここ、病院だよ……っ!」
は必死に身を捩り、自分を押し込める轟の胸を押し返そうとするがびくともしない。
それどころか、轟はさらに深く、逃げ場をなくすようにの腕をベッドに縫い付けた。
「言わないなら、身体に直接聞くしかねえだろ」