第1章 灰色の雨と、血の誓い
「おい、どけ。邪魔だ」
轟と別れ、普通科の集合場所へと向かう廊下で彼を見送ってると、背後から響いた低い声。
それに振り向いたの心臓が、ーードクンッ!と大きく脈打った。
そこにいたのは、燃えるような鋭い視線を持つ、金髪の少年。
(あ…………)
声が出なかった。
記憶の中の彼とそっくりで、でも少し違って幼い姿をした男がいた。
「……駆藤、くん……?」
「あ?……誰だ、テメェ……誰かと間違えてんじゃねぇーよ」
記憶を持たない「彼」との、最悪で、最高の再会だった。
名前も知らない彼は、唖然と立ち尽くすを一景すると、そのまま素通りするのだった。
彼はーー記憶がないようだったーー。