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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第4章 剥落する日常、目覚める傷痕


意識を失ったを待っていたのは、安らかな闇ではなく、泥濘のようにまとわりつく悍ましい過去の再生だった。


「……っ、……ここは……」


意識を取り戻したみのりが最初に感じたのは、両手首に食い込む冷たい鉄の感触だった。
頭上から吊るされた太い鎖が、彼女の自由を無慈悲に奪っている。
物資の補給に出かけた帰り道、一瞬の隙を突かれて意識を失ったみのり。

目覚めた場所は、腐敗臭の漂う廃墟の一室。
そして、目の前には「彼」がいた。


「おはよう、駆藤の……『宝物』」


影のような漆黒の衣を纏った男、AFOが、愉悦に満ちた声を出す。
その圧倒的な圧迫感に、みのりの喉は恐怖で引き攣った。


「……あ、なたは……っ」

「僕の大切な弟を奪い、私の帝国を汚した不届き者――。駆藤を絶望させるには、何が最も効率的かと考えた。答えは簡単だ。彼が何よりも尊び、守ろうとしているものを、僕の手で壊してしまえばいい」

「……っ、やめて! 駆藤さんを呼ばないで……! 私を殺して、お願い……!」


みのりの悲痛な叫びに、男は低く笑った。


「殺しはしない。彼がここへ辿り着いた時、愛する女が私の色に染まり、貶められている姿を見せるのだ。……その瞬間の、彼の絶望の顔が楽しみで仕方ない」


男の大きな手が、みのりの首筋を這う。
恐怖に身を竦める彼女の抵抗をあざ笑うように、男は容赦なく指先に力を込めた。


――ビリッ、と。


無惨な音を立てて、みのりの服が引きちぎられる。
薄暗い廃墟の中に、白く震える裸身が晒された。
両手を鎖で繋がれているため、身を隠すことさえ許されない。
みのりは必死に身を捩り、視線を逸らそうとしたが、男の太い指が彼女の顎を強引に掴み上げた。


「……嫌、離して……っ、触らないで!!」

「無駄だ。お前の体も、心も、今日ここで僕が奪ってやる」


抗う言葉を飲み込むように、冷徹な唇がみのりの唇を塞いだ。
それは接吻などと呼べるものではなく、ただ一方的に尊厳を奪い、泥を塗るための暴力。
駆藤への憎しみを、みのりを通して発散するかのような、悍ましい執着の熱だった。


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