第4章 剥落する日常、目覚める傷痕
かつて、みのりが愛した仲間たちは、あの魔王の手によって一人、また一人と無残に刈り取られた。
そして、誰よりも愛し、共に生きることを誓った駆藤までもが、みのりの目の前でその命を散らした。
最愛の男を目の前で奪われ、心が壊れそうになるみのりを、彼はさらに地獄へと突き落とした。
抵抗する力も残っていないみのりを捕らえ、その尊厳さえも嘲笑うように踏みにじり、散々に凌辱し、弄んだ。
あの、冷たく、巨大な絶望の手。
全身に刻み込まれた、拭い去れない嫌悪感と苦痛。
「……っ……いやあああぁっ!!」
「!? 、どうしたの!」
「おい、しっかりしろ! 」
両親の叫びも、もう届かない。
テレビの中のAFOが動くたびに、前世で受けた悍ましい暴行の感触が全身に蘇り、の肌を粟立たせる。
(……やめて、…… また奪わないで、私の、大切なものを……っ)
過去の凄惨なトラウマと、今世の「大切な人」を失う恐怖が混ざり合い、の精神は限界を超えた。
呼吸は浅くなり、全身の血の気が引いていく。
やがて、極限のストレスに耐えかねた脳が、防衛反応として意識を強制的に遮断した。
「!!」
父の叫びを最後に、視界はどろりとした闇に呑み込まれた。