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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第4章 剥落する日常、目覚める傷痕


テレビ画面に映し出される雄英高校の記者会見。
フラッシュの激しい点滅と、記者たちの棘を含んだ質問が、静かな茶の間に突き刺さる。


「教え子が攫われた責任をどうお考えで?」

「爆豪勝己という生徒の暴力性は、ヴィランを惹きつけるものでは?」

「……勝手なことばっかり。爆豪くんの何を知ってるの……っ」


は震える拳を膝の上で握りしめた。
彼らの努力も、あの真っ直ぐすぎるほどのプライドも知らない部外者の言葉が、鋭い刃のように胸を抉る。
けれど、画面の中の相澤先生——イレイザーヘッドは、鋭い眼光を崩さず言い放った。


『爆豪勝己が求めているのは「勝利」であり、ヴィランの誘いに乗るような隙はない』


その一言で、場の空気が一変した。
生徒を信じ抜き、守り抜く大人たちの姿に、はわずかな希望と誇りを感じる。


(焦凍くん……君たちの先生は、やっぱり素敵な人だね……)


少しだけ心が軽くなったのも束の間。
不意に画面が切り替わり、耳を劈くような報道特別番組のアラートが響いた。


『――現在、神野区で大規模な爆発が発生しています!』


ヘリコプターからの空撮映像。
そこには、瓦礫の山と化した街並みと、絶望を形にしたような「男」が浮遊していた。


「……あ……」


声が漏れた。
漆黒のスーツ。
顔の半分を覆う不気味なマスク。
そして、その口から発せられる、どこか愉悦を含んだ低い声。


『……残念だよ。せっかく用意した「居場所」を壊されてしまって』


テレビのスピーカー越しだというのに、その「声」が脳髄に直接響き渡る。
の視界が、急激にノイズで歪み始めた。


(この声……知ってる。この、肌を刺すような冷たいプレッシャー……っ)


テレビのスピーカー越しに響く、あの男の低く、傲慢な声。
それが鼓膜を震わせた瞬間、の脳内で「封印されていた記憶」が凄絶な勢いで弾け飛んだ。


(……この声、この……、吐き気のするような、邪悪な……っ)


画面に映る神野の街並みが、前世の忌まわしい記憶と二重写しになる。
それは、みのりとして生きていたあの人生の記憶だった。


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