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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第1章 灰色の雨と、血の誓い


カーテンの隙間から差し込む朝日が、目蓋を刺す。
は、溺れるような息を吐き出しながら起きた。


「………っ、また、あの日の、夢……」


頬を伝うのは、止めどない涙。
夢の中の光景は、いつも同じだ。
血の匂い、冷えていく体温、そして――最愛の人の、最期。


「……駆藤、くん……」


口に出せば、胸が抉られるように痛む。
幼い頃、ある日突然流れ込んできた「前世」の記憶。
自分はリカバリーガールの孫として、癒やしの個性を持ち、雄英高校の普通科に通う高校生。
けれど魂の一部は、ずっとあの日、あの廃墟に取り残されたままだった。


「……いつまで、泣いてるんだろ。私……」


ぐしぐしと目元を拭い、鏡を見る。
泣き腫らした目は、個性を少し自分に使えば治せるけれど、心の腫れまでは引いてくれない。

今日は雄英高校体育祭。
予感があった。
今日、何かが変わってしまうという、根拠のない、けれど確信に近い予感。





ピンポーン、と控えめなインターホンが鳴る。


「……。入るぞ」

聞き慣れた、少し低い声。
返事をする前に、鍵の開いたドアから幼馴染の轟が入ってきた。


「焦凍くん、早いね」
「ああ。……、お前、また泣いてたのか」

轟は、リビングに入ってくるなり、の顔を覗き込んだ。
そのオッドアイが、のわずかに赤い目元を逃さない。


「あはは、バレちゃった? ちょっと、怖い夢見ちゃって」
「……その『夢』の話は、今日もしてくれないんだな」

「…ごめんね」


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