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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第1章 灰色の雨と、血の誓い


一瞬の交錯。
前世の目の前で、駆藤の胸を黒い棘が深々と貫通していた。
時間が止まったような静寂の後、彼は糸が切れた人形のように崩れ落ちる。


「っ……いやあああああッ!!」


鎖を食い破るような勢いで駆け寄り、みのりは血溜まりの中に彼を抱き上げた。
温かかったはずの身体が、出血と雨でみるみるうちに冷えていく。


「嫌……嘘よ、目を開けて、駆藤くん! 置いていかないで……っ!」

「……みのり……。……怪我は、ないか……?」


死の淵にありながら、彼はまだ自分を案じている。
みのりは雨と涙でぐしゃぐしゃの顔を振り、彼の血に汚れた手を、自分の頬に添えた。


「ないよ、どこも痛くない……! だから、お願い、勝手に終わらせないで……っ」


「……すまない。約束……守れなかった……」


駆藤の瞳から、次第に光が奪われていく。
前世は彼の最期を悟り、溢れ出す涙を堪え、震える唇を彼の口元に寄せた。
これが、自分たちに許された最後の時間であるかのように。


「……待ってるから。何百年経っても、どんな姿になっても……私、絶対に駆藤くんを見つけるから」


重なる唇から、鉄の味が伝わる。
それが、駆藤がこの世で最後に感じた「愛」だった。
彼の腕から力が抜け、ーーストン、と床に落ちる。


彼女の悲しみに連動するかのように、雨脚が強くなる中、みのりは動かなくなった彼を抱きしめたまま、枯れた声でいつまでも彼の名前を呼び続けたーー。



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