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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第3章 黎明の夢、夕暮れの再会


数時間後。
予備のアジトで、みのりは祈るように夜を明かした。
やがて、夜明けと共にぼろぼろになった仲間たちが姿を現した。
だが、その数は出撃した時の半分にも満たなかった。


「……ブルースさん! 駆藤さんは!?」

「……後で来る。それよりみのり、負傷者がひどい。頼む……っ」


ブルースの腕の中には、昨日まで一緒に笑いながら食事をしていた若い戦士が、物言わぬ体となって抱えられていた。


「……そんな……、嘘よ……っ」


悲しみに暮れる間もなかった。
次々と運び込まれる、血塗れになった仲間たち。
同じ釜の飯を食べ、明日の自由を語り合った戦友たちの変わり果てた姿に、みのりの視界は涙で歪む。


「みのりさん! こっち、止血が間に合わない!」

「……っ、今行きます! 包帯を持ってきて! 清潔な水も!」


みのりは血に濡れた手を洗う暇もなく、次から次へと運び込まれる負傷者の応急処置に奔走した。
誰を救い、誰を諦めるか。
そんな過酷な選択を迫られながら、彼女の頭の中には、ただ一つの願いしかなかった。


(駆藤さん……生きていて。お願い、あなただけは……!)


血の匂いと絶望が立ち込めるアジトでみのりはただ、生を繋ぎ止めるための戦いに、魂を削るようにして身を投じていた。


「誰か、ガーゼを! ここはもう私がやるから、あなたは向こうの止血を手伝って!」


野戦病院さながらの様相を呈した予備アジトで、みのりは叫んでいた。
かつての同僚たちに秘密裏に応援を頼み、重症者を次々と安全な病院へ送り届ける。
血の匂いと硝煙、絶望的な呻き声が渦巻く中で、みのりはただ機械的に、けれど懸命に手を動かし続けていた。


「みのり……! リーダーを連れてきたぞ!」


入口から響いたブルースの切迫した声に、みのりの心臓が跳ね上がった。
振り向くと、肩を貸すブルースに支えられ、駆藤が泥のようにぐったりと身を預けていた。


「駆藤さん……っ!?」


駆け寄ったみのりの目に飛び込んできたのは、赤黒く染まった彼の腹部だった。
先日、みのりが必死に縫い合わせたはずの傷口。
それが完治する前に激しい戦闘に身を投じたことで、無残にも裂け、溢れ出す鮮血が彼の漆黒のコートをさらに重く濡らしていた。

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