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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第3章 黎明の夢、夕暮れの再会


職場体験中の轟を案じながら眠りについたは、その夜、また前世の記憶を夢に見た。



レジスタンスとしての生活に慣れ始めた頃。
アジトの重い扉が開き、硝煙の匂いと共に駆藤とブルースが帰還した。
だが、二人の間には、見たこともないほど痩せ細り、青白い顔をした一人の青年が支えられていた。


「駆藤さん! ……その方は?」

駆け寄るみのりに、駆藤は肩で息をしながら、だがその瞳には確かな解放の光を宿して答えた。


「……与一だ。あの怪物の……実の弟だ」


彼の話を聞いて、みのりは息を呑んだ。
あの絶対的な支配者、オール・フォー・ワンが唯一執着し、奥深くに幽閉していたという弟。
駆藤たちは、死線を潜り抜けて彼を「自由」の側へと連れ出したのだ。


「……兄さんの支配が及ばない場所が……本当にあるなんて……」

力なく笑う与一の手を、みのりは温めるように握りしめた。


「ええ。ここは自由な場所です。……さあ、まずは休んで。体力を戻しましょう」


それからしばらく、彼らは奇妙な、けれど穏やかな共同生活を送った。
与一は心優しく、駆藤とブルースが語る理想の世界を、静かに見守っていた。
だが、地獄の王が自らの執着を諦めるはずもなかった。


「――来たぞ!! 総員、迎撃準備!」


ブルースの叫びがアジトに響き渡ったのは、嵐の夜だった。
弟を奪われた怨嗟に狂ったオール・フォー・ワンが、直属の刺客を率いてアジトを強襲したのだ。


「みのり、与一を連れて裏の地下道から逃げろ! 予備のアジトで合流だ!」


駆藤が武器を手に取り、みのりの背中を押す。


「でも、駆藤さん! 貴方も……!」

「俺たちがここで食い止めなければ、全員死ぬ! 行け、みのり! お前は、与一を……俺たちの『希望』を守るんだ!」

「……っ、分かりました! 死なないで、絶対ですよ!」


みのりは震える与一の手を引き、暗い地下道を走り抜けた。
背後からは、建物の崩壊する音、仲間の絶叫、凄まじい衝撃波の音が、闇の中に響き渡っていた。


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