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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第2章 硝煙の戦場と、夕暮れの公園


「久しぶりね、ちゃん。……焦凍から、あなたがずっと支えてくれていたって聞いたわ。ありがとう」

「冷さん……! いえ、そんな。私の方こそ、焦凍くんにはいつも助けられてばかりで……」

は恐縮して頭を下げる。
すると冷は、隣に立つ息子の、心なしか誇らしげな横顔を眩しそうに眺めた。


「ふふ、そんなに謙遜しなくていいのよ。焦凍がこんなに優しい顔をするようになったのは、きっとあなたのおかげね」

「……母さん、変なこと言うなよ」

轟が少し決まり悪そうに視線を逸らす。
冷はその様子を楽しみながら、さらに言葉を続けた。


「あら、本当のことでしょう? 二人が並んでいるのを見ると、なんだか……素敵な未来が想像できてしまうわ。これからの成長が、本当に楽しみ」

「も、もう! 冷さん、揶揄わないでください……っ」

は顔が熱くなるのを感じて俯いた。
隣の轟を見ると、彼は否定するどころか、耳まで赤くしながらも、どこか満更でもない様子で口元を引き締めている。

「……ああ。俺も、楽しみだ。と一緒に歩んでいけるなら」

さらりと、重みのある言葉を口にする轟に、は心臓が飛び出しそうになる。
冷は満足げに微笑み、二人の若々しい絆を愛おしそうに目に見守っていた。





病院のロビーを出ると、柔らかな春の風が二人を包み込んだ。
冷の穏やかな笑顔がよぎり、の胸にも温かい安堵が広がっていた。


「冷さん、元気そうでよかったね、焦凍くん」

「ああ。……正直、もっと合わせる顔がないと思ってたんだが。お前が一緒にいてくれたおかげだ」


和やかな空気のまま、二人は病院近くの古い蕎麦屋に立ち寄った。
轟は好物のざる蕎麦を、どこか感慨深げに口に運んでいた。


食事を終えた帰り道、二人は幼い頃からよく遊んだ思い出の公園へ、自然と足が向いていた。
夕暮れ前の公園は静かで、ベンチに腰を下ろすと、轟は隣に座るの手をそっと握りしめた。


「……」

「ん? どうしたの?」

轟は無言のまま、じっとの横顔を見つめていた。
彼女はいつも通り微笑み、楽しそうに今日のできごとを話している。
けれど、ふとした瞬間に視線が遠くなり、指先が寂しそうに震えるのを、轟は見逃さなかった。



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