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愛を教えてくれた君と 【ヒロアカ R18】

第1章 灰色の雨と、血の誓い


「……次は、見てろよ。……あ、あと、轟に殺されるのは勘弁だからな。さっきの、怖すぎだろ」

「あはは……そうだね」


笑いながらも、の視線は無意識に、次に戦う爆豪の姿を探していた。
さっき緑谷から感じた、あの不可解な気配。
そして、今この場にいる「駆藤」の生まれ変わり。

のなかで、前世と今世が複雑に絡み合い、もつれていく。



決勝トーナメントは、残酷なほどに二人の「強さ」を際立たせていた。
一回戦、轟は一瞬で会場の半分を凍らせるほどの氷結で圧勝した。


「……相変わらずだね、焦凍くん」


観客席で、はポツリと独り言を漏らす。
幼い頃から見てきた、圧倒的なまでの拒絶と孤独の力。
けれど、今の彼には自分への執着という熱が混ざっている。


続く爆豪の試合。相手は麗日お茶子だった。
周囲からは「女の子相手に容赦ない」と野次が飛ぶが、の目には全く違う景色が映っていた。


「……違う。爆豪くんは、相手を一人の『戦士』として見てるだけだ」

その冷徹なまでの観察眼、無駄のない動き、そして相手の策を逆手に取る冷静さ。


(……あの日も、そうだった。駆藤くんも、私が女だからって手加減なんて一度もしなかった……)


戦場において対等であること。
それが彼の、不器用で誠実な敬意(リスペクト)なのだ。
荒々しい爆破の合間に見えるその「芯」に、は胸を締め付けられるような懐かしさを覚えていた。

そして迎えた、二回戦の轟対緑谷戦。
スタジアムが震えるほどの衝撃波と、轟音。
限界を超えて戦う二人の姿に、会場中が息を呑む。
その終盤、轟が左側から凄まじい熱量を放出した。


「焦凍くん……!? 炎を、使ったの……?」


は立ち上がり、胸元を握りしめた。
あれほど拒んでいた、父親の力。
それを解き放った彼の顔は、苦痛に歪みながらも、どこか吹っ切れたように輝いて見えた。


「……やっと、自分の力にしたんだね」


緑谷の手によって、焦凍の止まっていた時間が動き出した。
幼馴染としてそれは喜ばしいはずなのに、の胸には同時に、えも言われぬ予感が去来する。
強くなった轟は、きっともう迷わない。
を離さないと、あの強い抱擁で誓った時の熱が、そのまま炎になったかのように。


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