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海に漂う星屑のように

第5章 EXSTRA①〜Be my Valentine♪


ベリー系かな?などと言おうとした矢先、
ちょっと背伸びした陽菜多の唇が俺の唇を塞いだ。
舌が入ってきて、俺の舌を少しだけなぜる。

「あ・・・クランベリー」

チョコを食ったせいかもしれない。陽菜多が唇を離すと、唾液が糸を引いて二人の間でぷつりと切れて落ちるのが見えた。

「なっ!!お前っ・・・」

俺は慌てて唇を押さえたが、後の祭り。陽菜多が満足そうに笑っていた。

「お返し・・・もう、もらっちゃった・・・」

へへへと笑う。
その顔を見たら、なんだか俺も身体の力が抜けた気がした。

しょうがねえやつだ・・・。

「チョコありがとうよ。済まねえな。いくら慣れてるからって言っても、身体冷えるだろう?もう少し仕事があるから、中で待ってていいから・・・」

言ったが、陽菜多が首を振る。

「もうちょっとだけ、ここで一緒にいちゃだめ?」
くいと袖口を引っ張られ、俺達は横並びで横浜の夜の街を眺める。

「きれいだよね・・・」
「ん・・ああ・・・」
「ねえ」
「ん?」
「ちょっと・・・気障なこと言っていい?」
「なんだ?」
「さっきさ、寒いほうが星がよく見えるって言ったじゃん?」
「ああ」
「寒いとさ、空気がじっと止まっているんだよね。それで、星の光がまっすぐ届くんだ。宇宙の果てからの光が、俺んとこまでまっすぐ届く」
「そうなんだ」
「人も同じだった」

どういう意味だ?と思って彼の方を向くと、陽菜多はそのままキラキラとした街の光に目を向けている。

「寒いほうが、師月のあったかさが、まっすぐ伝わってきた」

そう言って、こっちを向くとにっこり笑った。
期せずして目が合う形になり、俺のほうがなんだか恥ずかしくなってしまった。不覚にも顔が赤くなるのを感じて、目を背けてしまう。

「確かに・・・気障だな」

そう言うのが精一杯・・・だった。

やっぱり気障だった?

こちらの胸のドキドキも知らないで、陽菜多が無邪気に笑い声を上げた。

本当に・・・こいつはっ!

さっき、受付で陽菜多に抱きつかれたのを不意に思い出した。
人の身体を温かいと感じたのは、いつぶりだったろうか。

こいつといると、なんだかいろんなものが溶かされていく。
そんな感じがした。
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