第2章 恋が愛に変わるまで
季節が流れて、憂太くんはどんどん力をつけていった。いつも真希に扱かれている。
「棘、熱い」
「しゃけ」
グランドの階段に座り、憂太くんと真希をパンダくんと棘と一緒に眺めていた。棘が私の後ろに座り、頭に顎を乗せて腕に閉じ込めるので、じわっと汗が滲んでいる。
それでも、その汗を気にしない棘も、棘の汗がつくことをなんとも思わない私も、少しズレているのだろうか。
「しゃけじゃないよ…」
「しゃけ〜」
「しゃけじゃないぃ…」
しゃけしゃけ言い合う私たちの隣で、パンダくんがいきなり叫んだ。憂太くんを呼んで、なにやら卑猥な話をしている。
へぇ、憂太くん巨乳派なんだ。
どうやら真希は脈アリらしい。パンダくん曰く。
「ツナマヨ〜」
「ッ、ひぇうあっ?!」
変な声を出してしまった。棘がこっそり胸を突ついたからだ。それは…してはいけないことだと思うよ、棘…。
"これが好き"と言われてしまった。誰も棘の好みは聞いていない。みんなが私を見てきて、憂太くんと真希の話題が私に逸れた。
棘は満足そうに突ついた人差し指を立てていた。