第2章 恋が愛に変わるまで
頬を撫でながら、棘が戻してくれた椅子に座る。血、出てないよね?撫でた手の平を見てみたが、何もついていなかった。
「高菜…」
「あ、いや…大丈夫。血も出てないし」
棘が謝ってきたので、笑って返した。
ねぇ棘、私わかるよ。おにぎりの具でもわかるから、言いたいことがあるなら、声にして欲しい。
「噛まれてたぞ」
「噛まれてたな」
「だ、大丈夫…?」
みんなに笑いながら「大丈夫」と答える。
机の上に置いた腕の袖をちょんちょんと引っ張られ、そちらを向く。棘の耳が見える。噛まれた頬には柔らかく何かが触れていた。
「ツナマヨ」
頬から離れて耳元で囁かれた。"これでチャラね"、意味わかんないから。手がぷるぷる震える。わけがわからなくなって、頭は真っ白。全部、棘のせい。