第4章 ハネムーン?
夜、貸し切りにした露天風呂で私はひとり、温泉に浸かった。棘に見られていることを知ってるので、隠したくて腕がうずうずする。でも、羞恥心に耐えながら、温泉を堪能している演技をしていた。
呪力を感じたが気付かないフリをして、夜空を見上げる。突然、目の前に現れた物体に目を見開く。羽の生えたぶにぶにとした生物は、私に手のようなものを伸ばしてくる。
「動くな!」
棘の声が聞こえてすぐに呪霊から距離を取る。私が反応を示した時点で、見えていることは気付かれている。いきなり目の前に現れるのはずるいと思う。
手で胸や股を隠したまま、棘を見た。蛇の目が刻まれた頬を晒して、牙を現そうとしている。
「棘!!"私はここにいるよ"!」
「爆ぜろ!!」
呪霊は飛沫を上げながら消滅した。事前に下ろしていた帳が晴れていく。棘に駆け寄って、喉に触れた。
「"治って"」
「しゃけ」
"このくらい大丈夫"と笑っているが、少しでも違和感があるなら、治してあげたかった。棘は私を抱き上げ、脱衣所に向かっていく。肌が…敏感な突起が擦れる。
任務は一瞬で終わってしまった。棘はたまに胸を揉みながら服を着せてくれた。なんでいちいち触るの…それに、自分で着替えられる。でも任せていた。
そして、女将さんや支配人、若旦那たちに挨拶をして部屋に戻る。これからまた、棘と二人きりの時間。