第3章 結ばれる緣
布擦れの音が響く。みんなが見ている。白無垢で目を伏せたまま床の間の前に座った。ほんの少し動けば、棘に触れてしまう距離。いつもあんなに近いのに、なんだか今は緊張してしまう。
盃に入った白く濁る液体。棘が口をつけたところがわかった。そのままそこに口をつけ、あまり周りは見ないように飲んだ。甘さが口の中に広がる。
「高菜?」
集合写真を撮ってから食事会になり、みんながわいわい食べたり飲んだりしている。隣にいる棘が、"疲れてない?"と聞いてくれる。笑顔だけ見せて、水を飲む。正直、めちゃくちゃ疲れた。緊張で。
「いやぁほんと、綺麗だねぇ祝詞」
「おい悟、棘が睨んでっぞ」
クスクスと笑いながら棘の手に触れる。棘が嫉妬してるのも、友人たちが驚きながらも祝福してくれるのも、何もかも嬉しかった。私は棘の隣にいてもいいんだと思わせてくれる。
食事会が終わると、棘と二人で参列者を見送った。みんなが帰ると棘に手を引かれて、近くの部屋に入る。触れるだけの口付けを交わし、すぐに部屋を出た。