第3章 結ばれる緣
ある日私は、棘に内緒で硝子さんを訪ねた。たぶん、硝子さんならなんとかしてくれそうと思ったからだ。
「硝子さん、あの…ピルを飲みたいんですが……」
「処方出来なくはないけど…なんで?」
私たちはまだ学生で、呪言を持っている棘の子が出来るのが怖いからだ。棘に避妊をしてもらえばいいのかもしれないが、お願いしてもそのうち棘は嫌だと言うかもしれない。コンドームも絶対ではない。
棘に相談しなければいけないのはわかっていた。でも、相談しても飲むことには変わらないから、黙って飲むことにした。隠し続けるわけではない。後でちゃんと報告する。
硝子さんは血液検査等をして、ピルを処方してくれた。早速その日から飲み始めて、2週間後には祝言が迫っていた。恐らく棘は、その日の夜に私を抱くだろう。
消灯の数分前にドアがノックされる。見つかったら怒られるって…急いで扉を開け、棘を部屋の中に入れる。
「棘…バレたら絶対、不純異性交遊だって言われるよ…先生たちには言ってるんだから」
学校側には結婚することを伝えていて、生徒たちはまだ知らない。苗字が変わっても、そのままにしてもらえるよう、先生たちには言っている。
その私たちが同じ部屋で寝たなんて知られたら…そういうことをしていなくても疑われるだろう。学校でそういうことをしていいわけがない。散々されたけど…。
「しゃけしゃけ」
"悟がなんとかしてくれる"って…悟以外の先生に見つかったらどうするの。
「しゃ〜け」
「私もだけど…話、すり替えないで…」
"す〜き"と言って頬に擦り寄ってくる。マスクを下ろして、そのまま頬に手を添えて唇を重ねた。不純異性交遊…。