第3章 結ばれる緣
「祝詞……」
棘は言葉の続きを言うのを躊躇っていた。何度も目を泳がせ、大きく息を吐く。私は言葉を挟まず、ジッと待っていた。
「………好き」
「っ……棘…私も好き。やっと言えた」
棘はその言葉を言うのを恥ずかしがっていたわけではない。すごく怖がっている。おにぎりの具以外の言葉を発するのを…。
お互いの両親の前だということを思い出して恥ずかしくなる。なんとも言えない空気に包まれていた。
「……しゃけ?」
"結婚してくれるのか"と聞かれ、頷いてしまう。でも、後悔はしていなかった。ずっと好きだった棘に好きになってもらえて、結婚したいと言われて…頷く以外考えられなかった。
いきなり立ち上がった棘が飛びついてきて、後ろに倒れてしまう。こんな場で何をしてるんだか…。
「しゃけしゃけ、いくらぁ…」
棘の髪が頬を擽った。